芦屋市長講演会 ~チャンスの神様には前髪しかない~(No.35)

 12月17日、本校で全校生徒を対象に、芦屋市の高島崚輔市長をお招きし、講演会を行いました。まずは、その冒頭で語られたご自身の半生と、そこに込められたメッセージをご紹介します。
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■ 幼少期から学んだ「挑戦する勇気」
 高島市長は1997年、大阪で生まれました。幼稚園の頃はとても内気で、友達を誘うこともできず、隅っこで過ごすような子どもだったそうです。
 そんな性格を変えるきっかけになったのが、あるマジックショー。舞台に上がるチャンスがあったのに、怖くて手を挙げられなかった。その帰りにお母様から言われた言葉が、
 「チャンスの神様には前髪しかない」。
 やりたいと思ったことは、すぐに挑戦しないと後悔する。この言葉が、市長の人生の大きな指針になったといいます。

■ 中学・高校時代の挑戦
 そこから少しずつ物事に挑戦するようになり、中学ではラグビー部や生徒会に参加しました。
 大きな転機は、東日本大震災。中学3年の時に募金活動をし、その後、生徒会で東北を訪問。同世代の人たちと話し、「自分も何かしたい」と強く思ったそうです。
 この経験が、世界に目を向けるきっかけになりました。

■ ハーバード大学で学んだ「マイノリティになる価値」
 高校時代、海外の大学を見学し、アメリカの大学受験に挑戦。結果、ハーバード大学に進学しました。
 しかし、最初は本当に大変だったといいます。授業はもちろん英語。ディスカッション中心で、黙っていると欠席扱い。最初は1時間の授業で10%しか理解できなかったそうです。
 それでも先生に相談し、「我先に一番に発言する」戦略を取り、失敗しながらも少しずつ慣れていきました。
 この経験で学んだのは、「マイノリティになることの価値」。言葉が通じない、文化が違う中で、自分をどう表現するかを必死に考えたことが、市長という仕事にもつながっていると語ります。

■ エネルギー分野と大学の休学
 大学ではエネルギー工学を学びましたが、学びと現実のつながりを感じられず、3年間休学して世界中のエネルギー現場を回りました。
 オランダで水力発電、アイスランドで地熱発電、沖縄で風力発電。現場で感じたのは、「地域を良くしたい」という人の思いが街を元気にするということです。
 この経験から、日本で地域を良くする仕事をしたいと思い、様々な市役所を調べ、芦屋市と出会いました。
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■ 最後に伝えたいこと
 市長のメッセージはシンプルです。
 「好きなことに正直であること」。「流行や周りの意見ではなく、自分が本当に好きなことを見つけること」。
 そして、ハーバード大学の校門にはこんな言葉があります。
 “Depart to Serve Better Thy Country and Thy Kind.”「学んだことを世のため、人のために活かせ」。
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 皆さんも、自分の好きなことを突き詰め、それを社会にどうつなげるかを考えてみてください。

 さて、休憩をはさんで後半は、生徒たちと市長のトークセッションです。生徒と市長が対話を通して本音を語り合いました。質疑応答の場面では、多くの生徒が手を挙げ、市長は一つひとつに丁寧に答えてくださいました。
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○挑戦する勇気を持つこと。失敗を恐れず、一歩踏み出すことで世界は広がる。
○違いを楽しむ柔軟さを持つこと。
○自分の当たり前は他人の当たり前ではない、その視点が未来を変える。
○言語や文化を学ぶことの価値。
○AIでは伝わらないニュアンスや心を理解するために、人と人の対話が必要であること。
○自分を大切にすること。
○義務感ではなく、好きなことに正直であることが、続ける力になること。
○地域や社会を良くするためには、協力し合う姿勢と多様性への理解が欠かせないこと。
 高島市長の言葉は、私たちに「未来をつくるのは自分自身」という強いメッセージを届けてくれました。
 「チャンスの神様には前髪しかない」――この言葉を胸に、私たちも一歩踏み出してみませんか?
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